デベロッパーズバックヤード第14回(8/2公開)

  • コラム

こんにちは、プロデューサー宮内&ディレクター片野です。



1998年5月14日に初代GUILTY GEARがリリースされ、今年5月にシリーズは25周年を迎え、GUILTY GEAR -STRIVE-も6月11日にリリース2周年を迎えました。

長きにわたりギルティギアシリーズにお付き合いいただき、応援していただき、そして愛していただき本当にありがとうございます。
皆さんの長年の情熱と熱意が、私たちにとって常に励みとなり、シリーズの挑戦と成長の原動力となってきました。プレイヤーの皆さんに改めて心の底から感謝をお伝えしたいと思います。

今回のデベロッパーズバックヤードは、今後のアップデートについてや、開発チームで検討していることに少し踏み込んだお話をさせていただきます。

また、実装から大分時間が空いてしまいましたが、『ベッドマン?』と『飛鳥=R♯』についてもご紹介させてください。
最後までお付き合い頂けますと幸いです。

● 『ベッドマン?』について
● 『飛鳥=R♯』について
● シーズン3のアップデートについて
● Q&A
● 大会&イベント情報

『ベッドマン?』参戦!

氏名:ベッドマン?
身長:272cm
体重:621kg
血液型:なし
生年月日:不明
出身地:不明
趣味:不明
大切なもの:ディライラ(と思われる)
嫌いなもの:ディライラに危害を及ぼす人・物すべて
所属:不明
武器:なし

ベッドマンが死の間際にプログラムした結果、彼の死後もなお自立稼動しているベッド。ディライラの暴走を食い止めるのに一役買ったのち、彼女によって回収された。主にディライラを守るような行動を行う。
簡易的な意思疎通は出来るものの、相手を慮った受け答えや日々の記憶の蓄積など複雑なコミュニケーションはできない。

氏名:ディライラ
身長:156cm
体重:45kg
血液型:A型
生年月日:3月16日
出身地:不明
趣味:アリの行列の進路を幾何学模様にすること、こっそり夜更かしして2万文字の絵日記を書くこと
大切なもの:梅喧、兄の気配を感じるベッド
嫌いなもの:家事全般、早起き
所属:なし
武器:俯いて座り込む、黙ったまま後ろを歩く、屁理屈

ベッドマンの妹。

兄と同じ特異体質であり、生来の思考能力が高すぎるため夢を通さなければ活動できなかったが、ベッドマンの最期の力により発動した絶対確定世界を通じて現実世界へ降り立った。
現実世界に身体を固定するための措置として、意図的に従来の能力を引き下げられている(ディライラ本人はそれに気づいていない)。傍らには常に兄のベッドが寄り添っており、彼女を過剰なまでに護衛している。
強大な力と類稀なる思考能力を持つ反面、一般的な世間事情や他人の感情の機微には疎く、本人もそれを強く自覚している。
また他者との交流経験が不足していると認識しているものの、年相応の幼さから感情がついていかず、そんな自分をもどかしく思っている。

4月6日に3番目のシーズン2DLCキャラクター『ベッドマン?』がリリースされました。
ベッドマンは「GUILTY GEAR Xrd -SIGN-」から登場したキャラクターで、「GUILTY GEAR Xrd -REVELATOR-」のストーリーですでに死亡してしまったキャラクターですが、今回アナザーストーリーにて、残されたベッドが登場しました。
操る人間が居なくなったベッドは、何故かディライラを守ろうとする様子が見られます。それはまるでベッドマンの意思があるようにも見えるので、キャラクター名が『ベッドマン?』となりました。
その真相はアナザーストーリーとベッドマン?のアーケードモードのシナリオをぜひ確かめてみてください。

・キャラクターデザインについて
ベッドマン?はアナザーストーリー後の形態で実装されました。アナザーストーリーをプレイされている方はお気づきかもしれませんが、プレイアブルのベッドマン?はアナザーストーリーの時よりも破損しており、片腕を引きずって戦うデザインにしています。

ディライラも一緒に戦う仕様をデザイン当初は考えていましたが、ベッドマン?はディライラを守っているというキャラクターコンセプトを重視し、最終的にベッドマン?の後ろにディライラはがついてくる形となりました。
バトル中もベッドマン?のアニメーションの細部に渡り、ディライラを守りながら戦う様子を再現しようと様々な開発スタッフのこだわりが出ているので、じっくり見て頂けると嬉しいです。

・バトルデザインについて
必殺技を発動してから一定時間が経過すると、自動で攻撃が発動するキャラクターです。
自動発動の攻撃に合わせて立ち回りや連係を組み立てるという独特の戦術が求められます。

また、空中8方向に空中ダッシュできるという空中制御も特徴です。
他キャラクターとは違った操作が必要ですが、「ダッシュボタン」を設定することで直感的に操作できるはずです。

各種必殺技の性能そのものはシンプルですが、小回りが利かない面があり、不自由に感じる場面も多くなっています。
しかしその分狙い通りに事が運べばこのキャラクターでしか味わえない楽しさがある。
そんなキャラクターです。

『飛鳥=R♯』参戦!

氏名:飛鳥=R♯
身長:167cm
体重:58kg
血液型:今はAB型(5回目)
生年月日:11月10日
趣味:ルーブ・ゴールドバーグ・マシンで蕎麦を打つこと、盆栽(多肉植物専門)
大切なもの :ソル、アリア
嫌いなもの :ケイオス
所属:なし
武器:魔法

優秀な人間が多い魔法使いの中でも最高峰の力を持つ青年。
科学者でもあり、法力学においては並び立つ者のいない、いわゆる「天才」。
基本的に丁寧な物言いで腰は低いが、彼なりに考えた結果の発言がかえって波風を立てることもしばしば。
優れた頭脳に反して体力は低く、わずかな時間の運動でも息があがってしまう。
そのため身の回りの力仕事はもっぱら自作したビットに任せている。
世界平和の実現のため、今日も飛鳥は宇宙から「透明な数字」を発信し続けている。

5月25日にはシーズン2最後のDLCキャラクター、『飛鳥=R♯』がリリースされました。嬰記号の『♯』はドイツ語読みでクロイツと呼びます。
『飛鳥=R=クロイツ』は『あの男』、『ギアメーカー』、あるいは『魔王』とも呼ばれるGEARを作り出した人物です。初登場は「GUILTY GEAR2 -OVERTURE-」で素顔と名前が明かされたのは前作の「GUILTY GEAR Xrd」でした。このキャラクターのバックボーンについて細かく説明すると、ギルティギア世界史を紐解くことになり、かなり長くなってしまいますので、詳しくは是非GUILTY GEAR -STRIVE-のGG WORLDモードをご確認ください。

飛鳥は本作のストーリーモードで宣言した通り、今は月に行ってラジオで透明な数字を発信し続けています。プレイアブルキャラクタートレーラーの冒頭で読み上げている数字ですが、これは演出用に特別収録したもので、ゲーム内では聴くことができないものになっています。トレーラーに収まらなかった僅かな部分には賞金稼ぎの数など他の数字を読み上げているちょっとした小ネタもあったので、それらも聴くことができる機会をいずれ用意できないかと思っています。

・キャラクターデザインについて
飛鳥のキャラクターデザイン自体はストーリーモードで用意されていましたが、バトルキャラクター化するにあたり、本作のストーリーモードには無かったマントを身に着けた装いでプレイアブルとなりました。
ちなみにこのマントは飛鳥が作った装備で、ただのマントではないようです。

・バトルデザインについて
多数の魔法を状況に応じて使い分ける、はっきり言って非常に複雑で難解なキャラクターです。
ギルティギアシリーズには複雑な操作が要求されるキャラクターが多くいますが、このキャラクターは操作というよりは状況判断が求められるキャラクターになっています。

余談ですが開発初期案ではもっと難解な仕様で、現在の形に落ち着くまではかなりの期間と多数のテストプレイが必要でした。
(設定上とても貧弱だからパンチ一発でやられてしまう、なので常に防御バリアを貼り続けていないとダメ、など)

本作は過去シリーズと比較してシンプルなゲームデザインのキャラクターが多いため、非常に特異な立ち位置のキャラクターです。
ですがこのキャラクターに関しては複雑さや難しさをあえて詰め込んでいる、我々としても特別なキャラクターになっています。

だからこそ、このキャラクターを自在に扱えるようになったときには今まで味わったことのない達成感が得られます。
大会やイベントで彼を使っているプレイヤーには是非注目していただきたいと思います。

シーズン3のアップデートについて



3年目に突入した本作ですが、シーズン3大規模アップデートを2023年夏頃のアップデートを予定しています。今はまだ多くを語りませんが、シーズン3はこれまで同じキャラクターを使い続けてきたプレイヤーでも新しい体験ができるようなアップデートを複数予定しています。

まず第一弾として、キャラクター追加だけでなく、全キャラクターのバランス調整、新バトルシステムの追加、一部キャラクターへの新必殺技の追加などを予定しています。
その他にも、ネットワークロビーの更なる安定化や、今後追加予定のアップデートに対応するための準備として、バトル部分以外の複数アップデートも予定しております。詳細につきましては、近日の発表をもう暫くお待ちください。

ユーザーからの質問

Q.今後、前作にあったようなランクマッチの実装予定はないでしょうか?

今のGUILTY GEAR -STRIVE-の『ランクタワー』は主に格闘ゲームに慣れていない層を意識した「初心者の適正マッチング」、「段位による心理的ストレスの排除」などを中心に設計し、基本的にはプレイヤーがランクタワーに集まるように設計されていたものです。この作りは、一部は良い効果がでているものの、多くの課題も残す結果になったと認識しています。

前作のGUILTY GEAR Xrdシリーズでは、高い段位ほどランクマッチで相手が見つからなくなったり、目標段位に到達するとランクマッチで遊ぶのをやめて、ロビーで遊ぶ傾向があるといった課題を抱えていました。その結果、本来プレイヤーを近い実力同士で対戦させる目的だったランクマッチのプレイ人口が減ってしまい、プレイヤーは対戦していて楽しいと感じる適正相手をロビーで手探りでさがすといった流れになってしまっていました。
もちろん、当時と今とではプレイヤーの人口や対戦環境が異なり、ロールバックネットコードが無かったことから、同じ実力帯との対戦より回線相性が主に優先されていたことも要因の一つであったとも思います。

本作のランクタワーはそういったランクマッチが不得意とするところを克服する試みとして用意しました。



これは発売から丁度2年目となる2023年6月11日の全地域のプレイヤー入室数を集計した分布です。
一般的には高ランクになるにつれてプレイヤーが減っていく傾向にありますが、本作ではランクタワーの仕組み上それが逆転しています。この状態はポジティブに見れば上のランクに上がっても対戦相手が多くいますが、悪く見れば現行最上ランクである天上階はプロ格闘ゲームプレイヤーさえも入り交じる実力格差マッチング上等の世界になってしまっています。

今後のアップデートでは、今のプレイヤー環境に合わせて天上階の実力格差を軽減するために、天上階より更に上の階層の追加を含めた最適化や、ランクタワーで遊ぶモチベーションに繋がるリワードの追加も検討しています。

Q.今後のギルティギアでは、カラーパレットではなくキャラクターの衣装の検討はあるのでしょうか?

GUILTY GEAR -STRIVE-へのキャラクターのアレンジコスチューム等の衣装実装は、開発チーム内でも何度も議論されていますが、今のところ本タイトルでの実現の目途は立っていません。

1キャラクターの見た目を全く別物にするのは、新しいキャラクターを1体開発するのと同じくらい大変なのです。特定のキャラクターによっては、一部衣装や武器パーツを別の見た目に変えるなどがもしかしたら可能かもしれませんが…。

参考までに皆さんはどんな見た目のキャラクターの衣装や、カラーが欲しいですか?何もお約束はできないのですが、良ければ下にあるご意見・ご要望フォームからお寄せください。

Q.Guilty Gear Xrd REV2にあったメニューのショートカット設定を復活させてほしいです。

前作のGUILTY GEAR Xrd -REVELATOR-とREV 2ではメインメニューにボタンショートカットを設定して、そのボタンを押すとそのメニュー項目手前まで瞬間的に選択される機能がありましたね。この機能は、なるべく少ない操作でよく使うモードに移動するために実装された機能でした。

実はGUILTY GEAR -STRIVE-でも、いつも良く使うゲームモードをゲーム起動からなるべく少ない操作で選べるようにするために似たような機能の実装を予定しています。前作とは少々使い勝手は変わりますが、こちらの機能実装についてはアップデートをいま暫くお待ちください。

大会・イベント情報

最後に大会・イベント情報です。

ARC WORLD TOUR Finals 2022

少し時を戻して、3月12日(英訳ではMarch 11th)にカリフォルニアで行われたワールドツアー決勝大会「ARC WORLD TOUR Finals 2022」ではJOZ|もっちー選手のソルが優勝しました!



TOP8初戦で敗れてルーザーズで後がない状態にも関わらず、終始落ち着いた様子で勝ち続け、決勝はティーワイ選手のジオヴァーナ相手に試合の流れをコントロールし見事な勝利を収めました。

TOP8で活躍された選手の皆さん全員も素晴らしいパフォーマンスを発揮されて、どの試合も見応えのあるARC WORLD TOUR 2022を締めくくるに相応しい熱い決勝でした!
配信アーカイブもあります。すでにAWT2023の予選が始まっていますが、これからの熱い戦いに向けて、ぜひ選手の活躍を振り返る際にご活用ください。

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EVO Japan 2023

そして3月31日~4月2日東京ビックサイトで3日間行われた「EVO Japan 2023」では、御傍選手がザトーでルーザーズから勝ち上がり、大勢が会場で見守るグランドファイナルでは、鋼の精神力と圧倒的な強さを見せつけ、LOX選手のジオヴァーナを見事に制して優勝を手にしました!

久しぶりの日本での大きな大会であったこともあり、普段あまりこういった大きな大会に参加していない強豪選手が多く活躍して、全く予想のできない展開でした。

TOP8の熱い戦いはこちらから視聴いただけます。

アーカイブはこちら  

ARC WORLD TOUR 2023

ここからは、「ARC WORLD TOUR 2023」の情報です。
予選大会が6月9日の「Headstomper」と「Battle Arena Melbourne」からスタートしました。今回のワールドツアー決勝は、前回から枠数が増え、12の予選大会優勝者枠と、予選大会結果によって獲得できるツアーポイント上位3枠と、決勝当日予選のLCQ1枠の合計16枠用意されています。

Battle Arena Melbourne

オーストラリアで開催された「Battle Arena Melbourne」では日本の強豪ファウスト使いIBUSHIGIN|Leo.選手がウィナーズ1回戦で敗れたNASR|Latif選手のザトーに、グランドファイナルでリベンジを決めて見事に優勝!

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Headstomper

スウェーデンで開催された「Headstomper」ではAWT2022でも活躍を見せたイスラエルのZando選手のラムレザルがウィナーズの強豪プレイヤーを次々に打倒し、グランドファイナルではBC|Jonathan Tene選手のザトーを制して優勝しました!

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Brussels Challenge Major Edition

7月14日~16日にベルギーで開催された「Brussels Challenge Major Edition」ではサウジアラビアの強豪メイ使いのTwis|Slash選手が連続でONi|Tiger_Pop選手とTSM|Leffen選手のハッピーケイオス戦を見事なガード力とコンボ判断で制し、グランドファイナルではリベンジに挑むTSM|Leffen選手のハッピーケイオスを倒し優勝しました!

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現在のツアーポイントランキングは以下の通りとなっています。
Zando選手、IBUSHIGIN|Leo.選手、Twis|Slash選手は予選大会優勝により決勝進出が確定となっていますが、予選大会優勝プレイヤーを除いたポイントランキング上位プレイヤーによる出場権争いも今後注目です。

最後に、ラスベガスで8月4日に開催される『ARC WORLD TOUR 2023』の予選大会でもある「EVO 2023」では、GUILTY GEAR -STRIVE-のエントリー数が2481人と、ギルティギアシリーズの歴代EVOエントリー数の記録を更新しました。多くのプレイヤーの皆さんにエントリー頂きとても感謝しています。

片野と宮内も会場に乗り込む予定ですが、世界中のプレイヤーが集う本大会がとても楽しみです。

今年もアークシステムワークスはブース出展しております。ブース内では様々な催しも予定していますので、現地に赴かれる方は是非お立ち寄りください。

デベロッパーズバックヤード第14回は以上となります。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

デベロッパーズバックヤードで取り上げて欲しい話題や、開発者へのご質問・ご意見に関しましてはページ下のフォームより随時受け付けています。

「GUILTY GEAR」シリーズ公式Twitterアカウントでは『GUILTY GEAR -STRIVE-』最新情報をお届けしております。
https://twitter.com/GUILTYGEAR_PR

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